references/checklist-spec.md
A supporting file of the a11y-check-page skill.
観点表: 仕様から判断できる問題
対象の仕様(設計書、実装、製作者への確認)から評価する観点。ブラックボックスでの操作では 発見しづらく、仕様を知らなければ判定できないものが中心となる。
製作者から仕様の説明を受ける場合、楽観的な回答を信頼してはならない。製作者自身が把握 できていないことや、回答に信憑性がないことはしばしばある。可能な限り自分で挙動を確認する。
SPEC-01: 時間制限
- WCAG: SC 2.2.1 (A)
- 確認手段:
both - 判定: コンテンツの操作に時間制限がある場合、以下のいずれかを満たすこと。
- 利用者が制限時間に達する前に制限を解除できる
- 制限時間が20時間より長い
- リアルタイムのイベントと連動するなど、必要不可欠な理由がある
- 時間切れの少なくとも20秒前に通知され、簡単な操作で延長できる
- 制限時間に達する前に、デフォルトの制限時間の10倍を超える時間に調整できる
codeからの判定: セッションタイムアウト、setTimeout/setIntervalによる自動遷移や 自動ログアウト、カウントダウン表示、フォームの有効期限トークンを探す。延長・解除の UI と、事前通知の実装があるかを確認する。pageからの判定: 実際に待つことは現実的でないため、仕様と実装の確認に頼る。 短い制限であれば実際に放置して挙動を確認する。- よくある問題: セッション切れで入力内容が失われる。予告なくログアウトされる。
- 重篤度の目安: 入力内容が失われるなら Major。予告なく操作が中断されるなら Major。
SPEC-02: 動きによる起動
- WCAG: SC 2.5.4 (A)
- 確認手段:
both - 判定: デバイスの動き(シェイク、傾き)や利用者の動き(ジェスチャー、カメラ入力)で 操作できる機能は、通常の UI コンポーネントでも操作でき、かつ偶発的な起動を防ぐために 動きへの反応を無効にできること。
codeからの判定:devicemotion/deviceorientationイベント、DeviceMotionEvent、 加速度センサー API、カメラを用いたジェスチャー検出の使用を探す。- 補足: Web サイトでこの種の機能を持つことは少ない。仕様として存在する場合には注意深く確認する。
- 重篤度の目安: 動きでしか実行できない機能があるなら Major。
SPEC-03: 認知機能テストによる認証
- WCAG: SC 3.3.8 (AA)
- 確認手段:
both - 判定: 認証プロセスの各ステップにおいて、認知機能テスト(パスワードの記憶、パズルの求解、
計算など)に依存しないこと。依存する場合は以下の例外のいずれかを満たすこと。
- 代替: 認知機能テストに依存しない別の認証方法がある
- メカニズム: 認知機能テストの完了を支援するメカニズムが利用できる
- 物体の認識: 認知機能テストが、物体を特定させるものである
- 個人特有のコンテンツ: 認知機能テストが、利用者本人が提供した非テキストコンテンツを 識別させるものである
codeからの判定: パスワード入力欄にautocomplete="current-password"/"new-password"が指定され、コピー&ペーストやパスワードマネージャーによる自動入力が 阻害されていないか(onpasteの抑止、入力欄の分割など)を確認する。CAPTCHA、 ワンタイムパスワードの手入力強制、秘密の質問の実装を探す。pageからの判定: 実際にパスワードマネージャーによる貼り付けが可能かを試す。- よくある問題: パスワード欄で貼り付けが禁止されている。文字認識型 CAPTCHA が唯一の 認証手段になっている。ワンタイムパスワードを分割入力欄に手入力させ、貼り付けができない。
- 重篤度の目安: 認証を完了できない利用者が生じるため、原則 Critical または Major。
SPEC-04: 想定される利用環境と操作フローの網羅
- WCAG: (直接対応する達成基準はない。チェックの網羅性を担保するための観点)
- 確認手段:
both - 判定: チェックの対象範囲が、想定される利用環境と操作フローを網羅していること。
- モバイル向けの表示が PC 向けと異なるなら、両方をチェックしたか
- 操作フローに分岐があるなら、分岐ごとにチェックしたか
- 権限やログイン状態によって表示が変わるなら、それぞれをチェックしたか
- 状態によって画面が変化する(メニュー開閉、モーダル、エラー表示)なら、状態ごとに チェックしたか
- この観点は指摘としてではなく、チェック自体の網羅性の記録としてレポートに書く。 網羅できなかった範囲は「要追加確認」に明記する。